日本未公開ドキュメンタリー「カリプソ ドリームス」
カリプソローズの映画を見てちょっと思い出したので、久しぶりにDVDでカリプソニアンがたくさん出てくるドキュメンタリー「Calypso Dreams」を見てみた。
これは日本では公開されていないドキュメンタリー。トリニダードでDVDを買ってきた。
公開されていないのがもったいないくらいなんだけど、ジャマイカンフィルムフェスティバルその他で賞もたくさんとっているめちゃくちゃいいドキュメンタリーです。
監督はGeoffrey Dunn & Michael Horne。
内容はトリニダードのカリプソ音楽のルーツなどを綴ったもの。
もっとわかりやすく言うと、いっぱいカリプソニアンがでてきて、いろんなテーマについて語ってくれる。しかもギター1本でちょろっとカリプソを歌いながら。
そう。ちょろっと歌いながら。
何度も言いますが、ここがたまらないポイントです。
何人もカリプソニアンが出てくるので、初めから終わりまで「ちょろ歌」にあふれています。
ドキュメンタリーにでてくるカリプソニアンを見てみましょう。
こう書いてあります。フーン…なるほど…。
いやいや、もっと出てるし!絶対足りてないだろ。
そこで、メモしてみました。
Mighty Sparrow, Calypso Rose, Lord Pretender, Lord Kitchner, Lord Blakie, Duke, Black Stalin, Suger Aloes, Lord Superior, Brother Valentino, Gypsy, Singing Sandra, Lord Relator, Bomber, Mighty Terror, Regeneration Now, David Rudder, Brother Resistance, Mighty Chalkdust, Harry Belafonte
ここまではいいね。そのほか、
Brigo, Mystic Prowler, Brother Akil, Crazy, Ras Shorty I, Brother Mudada, Scrunter, Rio, Cro Cro, Poser, Mighty Striker, Roaring Lion, Shereen Caesar, Denyse Plummer, Double D, Lord Melody, Lord Funny, Mighty Spoiler, Luta, Mighty Duke
インタビューだけとか、懐かし映像も含めるとこんなに出てました。
知らない人もたくさんいる…けどそれぞれ個性がすごくて観ていて全然飽きない。
いろいろなことをテーマにカリプソニアン達がざっくばらんに語ったり、思い思いの曲を歌ったりします(ちょろ歌)。
テーマはこんな感じ↓
カリプソニアンはとは何か
カリプソのルーツ、アートフォームについて
カリプソの笑いの要素
カリプソニアンのあだ名について
カリプソの「グランドマスター」ロード・キチナーに対する思い
トリニダードのカーニバルのこと
カリプソは Mother Music of Caribbeanであること
ロード・ブレイキーのこと
女性カリプソニアンについて(もちろんカリプソローズも出てくる)
ハリー・ベラフォンテのこと(このトッピックは気になるところ。超貴重な本人インタビューあり!)
ロード・スポイラーのこと
エクステンポのこと
マイティ・スパロウのこと
マイティ・プリテンダーのこと
オープニングの、マイティ・テラーの甘い声、ブレイキーの笑い声、スパロウのしびれる低音ボイスからエンドロールまで、ほんとに見どころが多い。
探してみたらYoutubeにあった。ぜひ見てほしい!
私的見どころをいくつか。
この映画の中に、エクステンポについて語るシーンがあります。
エクステンポって、お客さんの前で2人(以上)のカリプソニアンがあるテーマに沿って交代に即興で歌を作っていく歌い方のこと。バトル形式でやるんだけど、おもしろかったりアイデアの良さでジャッジされます。相手をおちょくったり、あおったり、皮肉やお世辞を言ったり、ほめたりする場合もあります。
エクステンポの英語は難しくてだいたいわからないんだけど、ほんとに楽しそう。
それから、リレイタ―のギターの弾き方が超いい。かっこよすぎだろ。
何歌ってるのか超気になる。頑張って何度も何度も聞いて、辞書引いて…わかるころにはもう面白くなくなってるんだろうなってやつ…英語力の無さが憎い。
映画内ではレジェンドたちの死についても触れます。
そんなシーンがありつつ、最後のところでながれるブレイキーとリレイタ―の歌と笑い声。
そのあと、Regeneration Nowが、亡くなったカリプソニアンの写真とともにエンドロールで歌う「Five rules of Calypso」がほんとに美しい。美。美の世界。
この曲が最後に流れると、映画の英語半分くらいしかわかんなかったけど、なぜだか涙すら流れます。
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